建物の定期報告書
定期報告制度とは?
定期報告書の目的は、建築物や昇降機などの定期的な検査・調査の結果を報告することを所有者、
定期報告とは?
例えば、人が病気等の予防の為に、健康診断を受けるのと、同じように、定期的
外壁の落下・・・ 財産価値の損失などの不利益が発生・・・
第6条第1項第1号に揚げる建築物その他の政令で定める建築物で、特定行政庁が指定するものの所有者です。
賃貸マンションの所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者) また、分譲
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資格 |
特殊建築物 |
建築設備 |
昇降機等 |
1・2級建築士 |
〇 |
〇 |
〇 |
定期報告が必要な建築物等
定期報告が必要な特殊建築物とは?
第6条第1項第1号
別表第1(い)欄に揚げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100uを越えるもの。
別表第1 (共通)
(い) |
(ろ) | (は) | (に) | |
用途 |
― | ― | ― | |
(一) | 劇場、映画館、演芸場、公会堂、集会場、その他これらに類するもので、政令で定めるもの | ― | ― | ― |
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病院、診療所、(患者の収容施設があるものに限る。) ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、その他、これらに類するもので、政令で定めるもの |
― |
― |
― |
(三) | 学校、体育館その他これらに類するもので、政令で定めるもの | ― | ― | ― |
(四) | 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊戯場その他これらに類するもので、政令で定めるもの | ― | ― | ― |
(五) | 倉庫その他これらに類するもので、政令で定めるもの | ― | ― | ― |
(六) | 自動車車庫、自動車修理工場、その他これらに類するもので、政令で定めるもの | ― | ― | ― |
特定行政庁(各地方団体等)で検査、点検の基準が違いますので、その地域毎に調べて対応する必要があります。
【参考資料 福岡市 特殊建築物の定期報告制度について】
福岡市建築基準法施行細則で指定しているもの
区分 |
用途 |
用件 |
周期 |
1号 |
劇場、映画館、演芸場又は観覧場 |
その用途に供する部分の床面積の又は観覧場 合計が300uを超えるもの |
3年 |
2号 | ホテル又は旅館 | 地下又は3階以上の階にその用途に供する部分を有し、 かつその用途に供する部分の床面積の 合計が300uを超えるもの |
3年 |
3号 | 病院 |
地下又は3階以上の階にその用途に供する部分を有し、 |
3年 |
4号 | 百貨店、マーケット又は 物品販売業を営む店舗 |
地下又は3階以上の階にその用途に供する部分を有し、 |
3年 |
5号 | 地下の工作物内に設ける建築物 |
居室の床面積の合計が、1,500uを超えるもの |
3年 |
6号 | 共同住宅 |
5階以上の階のいずれかの階におけるその用途に |
3年 |
7号 |
キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、 |
3階以上の階における当該建築物のその用途に 供する部分の床面積の合計が100uを超えるもの |
3年 |
建築設備 |
用途 |
周期 |
上記指定建築物に設けた機械排煙設備、 機械換気設備、非常用照明設備 |
1号から5号までまた7号の建築物に設けられたもの |
1年 |
昇降機等 |
用途 |
周期 |
昇降機(全ての建築物用途)、遊戯施設 |
エレベーター、エスカレーター、高架又は電動機を使用し |
1年 |
定期報告書提出の流れ
定期報告書提出の流れは? 定期報告の調査内容は?
特定行政庁 <建築物の調査内容>
↓ 敷地 一般構造 構造強度 防火・耐火構造等
報告義務者 避難施設 非常用進入口等
↓
調査・検査資格者 <建築設備の調査内容>
↓ 機械排煙設備 機械換気設備 非常用の照明設備
特定行政庁 昇降機等
↓
報告義務者
原則、定期報告が義務つけられている報告義務者の方に『・・・・の定期報告書の案内』と特定行政庁から
郵送されてきます。
福岡県の報告書提出先 (受付業務委託先)
福岡市、糸島市、朝倉市、筑紫野市、春日市、大野城市、宗像市、大宰府市、古賀市、福津市、粕屋郡、朝倉郡、那珂川町
(財)福岡県建築住宅センター
福岡市中央区天神1丁目1番1号アクロス福岡(東オフィス3階)
費用と日数
調査に要する日数及び定期報告書提出完了までの日数は?
・分譲マンション
(1戸65u〜80u) 30戸〜45戸クラスで、調査に3日間、
報告書作成に5日間 提出に1日、最短で9日で完了します。
・その他、特殊建築物
調査から作成、提出までに約10日〜14日間です。
定期報告にかかる費用は?
分譲マンション、賃貸マンションに関係する共同住宅の費用の目安
1戸65u〜80u (税抜き価格)
35戸未満 | ¥57,000〜 |
35戸以上〜45戸未満 | ¥71,000〜 |
45戸以上〜55戸未満 | ¥85,000〜 |
55戸以上〜 | ¥100,000〜 |
その他特殊建築物の費用の目安
¥80,000〜(税抜き)
(要現地視察、要打合せ、要相談)
建物の、所在地、形状、おかれている状況により、金額が変動する場合があります。
建築基準法
建築基準法 最終改正平成23年12月14日 法律第124号より抜粋
《用語の定義》
建築基準法第2条6項
主要構造部 壁、柱、床、梁、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切り壁、間柱、附け柱、揚げ床、最上階の床、廻り舞台の床、小梁、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
建築基準法第2条6項
延焼のおそれのある部分 隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延面積の合計が500u以内の建築物は、1の建築物とみなす)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては、3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分を言う。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。
建築基準法第2条7項
耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間、当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止する為に当該建築物の部分に必要とされる性能を言う。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、レンガ造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
建築基準法第2条8項
防火構造 建築物の外壁又は軒裏の構造のうち、防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
建築基準法第30条
長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を 遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能を言う。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
《建物の維持保全》
建築基準法第8条1項
建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
建築基準法第8条2項
第12条第1項に規定する建築物の所有者又は、管理者は、その建築物の敷地、構造及び 建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する 準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。この場合において、 国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。
建物の所有者側に対して
《建物の定期報告書、検査等》
建築基準法第12条1項
第6条第1項第1号に揚げる建築物その他の政令で定める建築物(国、都道府県及び 建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で、特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第3項において同じ。)は、当該建築物の敷地、 構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は、国土交通大臣が定める資格を有する者にその状況の調査(当該建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、当該建築物の建築設備についての第3項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
《建物の定期報告書、検査等》
建築基準法第12条3項
昇降機及び第6条第1項第1号に揚げる建築物その他第1項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築物設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は、国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
建物の管理者側に対して
《建物の定期報告書、検査等》
建築基準法第12条2項
国、都道府県又は建築主事を置く市町村の建築物(第6条第1項第1号に揚げる建築物その他前項の政令で定める建築物に限る。)の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長 又はその委任を受けた者(以下この章において『国の機関の長等』と言う。)は当該建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は同項の資格を有する者に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。
主要構造部 壁、柱、床、梁、屋根又は階段をいい、建築物の構造上、重要でない間仕切り壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小梁、局部的な小階段、屋外階段、その他、これらに類する建築物の部分を除くものとする。
用語解説
建築基準法・・・建物を建築する為の最低限の法律です。
建築基準法第1条
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命 健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
特定行政庁・・・建築主事を置く地方公共団体、また、その長のことです。
福岡県では、福岡県・福岡市・北九州市・久留米市・大牟田市の長が特定行政庁です。
建築基準法第1条35
特定行政庁、建築主事を置く、市町村の区域については、当該市町村の長をいい、その他 市町村の区域については、都道府県知事を言う。以下省略
建築主事・・・建築物に係る建築確認に関する最終責任者です。
建築基準法第4条
政令で指定する人口25万人以上の市は、その長の指揮監督の下に、第6条1項の規定による確認に関する事務をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。
政令・・・内閣が制定する法令のことです。
国土交通省令・・・国土交通省大臣が制定する法令のことです。
特殊建築物・・・ほとんどの建物が特殊建築物の類になります。
建築基準法2条2項
学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)体育館、病院、劇場、観覧場、集会場 展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊戯場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、 工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵庫と畜場、火葬場、汚物処理場、その他これらに類する用途に供する建築物をいう。
主要構造部・・・建築物の構造上、重要な壁、柱、梁、屋根、階段のことです。